なぁんだ、そういうことか…
作業療法学の理論「人間作業モデル」の使い方を、身近な事例でわかりやすく解説。
「人間作業モデルは難しい…」をMOHO的に解釈すると「MOHOってなんか難しい…」というご意見をいただくことがあります.この語りをMOHO的に解釈すると「難しい」から私には理解できない…つまり個人的原因帰属の観点から「私はそれを身につけるのは無理…」という認識にあるのでしょうね.きっと,難しい説明を聞いたり,あるいは,分厚いMOHOの書籍にチャレンジして失敗した経験をお持ちなのでしょう.
本書は,コーヒーを飲みながら,あるいは電車の中で手軽に読みながら,MOHOの概要が理解できるように,できるだけわかりやすく解説した本です.
本書のねらいは,「MOHOを学ぶ」という作業に対する能力を「できる!やれる!」と自己認識させることです.私が講習会や,授業あるいは病院の研修会でお話ししているかのような,ライブ感を持った表現にし,とにかく「わかりやすさ」にこだわりました.
「なぁんだ,そういうことか…」
と思っていただければ,本書の意図は達成です.
作業療法学の理論「人間作業モデル」の使い方を、身近な事例でわかりやすく解説。
「人間作業モデルは難しい…」をMOHO的に解釈すると「MOHOってなんか難しい…」というご意見をいただくことがあります.この語りをMOHO的に解釈すると「難しい」から私には理解できない…つまり個人的原因帰属の観点から「私はそれを身につけるのは無理…」という認識にあるのでしょうね.きっと,難しい説明を聞いたり,あるいは,分厚いMOHOの書籍にチャレンジして失敗した経験をお持ちなのでしょう.
本書は,コーヒーを飲みながら,あるいは電車の中で手軽に読みながら,MOHOの概要が理解できるように,できるだけわかりやすく解説した本です.
本書のねらいは,「MOHOを学ぶ」という作業に対する能力を「できる!やれる!」と自己認識させることです.私が講習会や,授業あるいは病院の研修会でお話ししているかのような,ライブ感を持った表現にし,とにかく「わかりやすさ」にこだわりました.
「なぁんだ,そういうことか…」
と思っていただければ,本書の意図は達成です.
- はじめに なぜ人間作業モデルを学ぶのか
- こういう作業療法もありだなぁ
- 当たり前の作業療法実践を記録・共有・検討するツール
- 「人間作業モデルは難しい…」をMOHO的に解釈すると
- 本書のねらい
第1章 人間作業モデルの概念
1.意志
- 個人的原因帰属
- 自分の能力をどのようにみるか
- 価値
- 作業に対する価値の影響
- 興味
2.習慣化
- 「習慣」という概念
- 時間
- 物理的環境
- 身体に染みついた文化
- 一度始まると自動的に行われる行為
- 習慣は作業遂行にどのように影響するのか
- 役割という概念
- 役割は作業遂行にどのように影響するのか
3.遂行能力
- 身体・精神機能が“客観的構成要素”
- 本人目線の主観的経験
4.行為
- 作業参加
- 作業遂行
- 作業技能
5.環境
- 環境の声が聞こえますか?
- 環境の整理
- 物理的環境
- 社会的環境
6.作業適応
- 作業同一性:自らが考える作業的存在との一致感覚
- 作業有能性:作業的存在としてあり続ける能力の感覚
- 作業適応:作業同一性と作業有能性が備わった状態
第2章 「ブラックジャックによろしく」を人間作業モデルで読み解く
- 1.主人公が自らの「役割」を認識する
- 第1話「研修医の夜」p. 3~4
- 解釈
- 2.「役割」と「価値」が「個人的原因帰属」を強化する
- 第1話「研修医の夜」p. 7
- 解釈
- 3.主人公が「作業技能」を発揮する
- 第1話「研修医の夜」p. 8~9
- 解釈
- 4.主人公が研修医として「作業適応」する
- 第1話「研修医の夜」p. 10
- 解釈
- 5.主人公が大切にする「価値」
- 第1話「研修医の夜」p. 12~13
- 解釈
- 6.「価値」に反する現実が「作業同一性」をゆさぶる
- 第1話「研修医の夜」p. 27
- 解釈
- 7.主人公が「大切にしたい価値」を再解釈する
- 第4話「夏雲」p. 114
- 解釈
- 8.ぶつかり合う2つの「価値」と「価値」
- 第4話「夏雲」p. 125~127
- 解釈
- 9.主人公が求める「価値」の達成に邁進する
- 第4話「夏雲」p. 130~131
- 解釈
コラム 人間作業モデルで学ぶ永禄大学病院処世術
- 場面A 職場文化に従った「習慣」を身につけるべし
- 場面B 「個人的原因帰属」がなくても「役割」から逃げるな
- 場面C 患者さんにとって大切な「価値」と「技能」を常に思え
- 場面D 「物理的環境」よりも「社会的環境」に注意すべし
第3章 患者さんを人間作業モデルで読み解く
事例1.家に閉じこもり,「こんなんじゃ外出できない」と落胆する患者さん
- 検討 「こんなんじゃねぇ」から何を読み取るか
- 解釈 悩みを共有して協業する
事例2.いつもぼんやり,「何もすることがない」と無気力な患者さん
- 検討 本当に「何もすることがない」のか
- 解釈 「大切な作業」は何ですか
事例3.「何もできない」,でも急にリハ外来に来なくなった患者さん
- 検討 なぜ,外来に来なくなったのか
- 解釈 作業を通して自分の能力を認識した
事例4.“リハビリ命”,1日の半分を手の訓練で過ごす患者さん
- 検討 作業的存在としてのTさんへの接近
- 解釈 再び「作業的存在」になるために
第4章 ことわざを人間作業モデルで読み解く
- 1 「花より団子」
- 2 「瑠璃も玻璃も照らせば光る」
- 3 「亭主の好きな赤烏帽子」
- 4 「門前の小僧習わぬ経を読む」
- 5 「猫に小判」
- 6 「好きこそものの上手なれ」
- 7 「下手の横好き」
- 8 「雨だれ石を穿つ」
- 9 「早起きは三文の徳」
- 10 「破れ鍋に綴じ蓋」
- 11 「おばあさんは川へ洗濯に行きました」
- 12 「鬼退治に出発した桃太郎に,猿,キジ,犬がお供を買って出ました」
- コラム MOHO辞典「夫婦喧嘩」