医療職のための危機管理マニュアル
編 集
:Susan M. Briggs, MD, MPH, FACS
監 訳
:永田高志
判 型
:B5判 4色
発行年
:2009年
頁 数
:200頁
ISBN
:978-4-902470-53-6
電子化
:なし

定価 本体3,000円+税

  • 内容紹介
  • 目次
 いざというときの頼りになる一冊。災害の現場がリアルでありながら美しくまとめられている。
 ハーバード大学(マサチューセッツジェネラルホスピタル)方式による危機管理の実際的ガイドライン。ハーバード大学の外傷外科のリーダースーザン・ブリッグスが監修した、いざという時の危機管理にあたっての、医療に携わるスタッフに向けた、基本的な事項から専門的知識にいたるまでの、わかりやすい解説書。
 日本の危機管理面の不十分さを、米国でしか得られない豊富な実例を紹介してながらカバーしている。全ページのカラーが鮮やかで楽しく理解しやすいものになっている。

はじめに

第1部 多数傷病者のマネジメント

  1. 多数傷病者のマネジメント

第2部 緊急時指揮命令系統

  1. 緊急時指揮命令系統/関係機関をまたぐ指揮命令系統を一本化する/緊急時指揮命令系統ICSの重要な原則

第3部 災害への医療対応

  1. 救助・探索
  2. トリアージ/従来のトリアージ/災害現場医療トリアージ
  3. 根治的治療
  4. 広域搬送/広域搬送の適応/広域搬送における注意点および禁忌/広域搬送の種類/傷病者のストレス/固定翼機での広域搬送の際に行うことができる医療行為/傷病者に対する準備

第4部 災害に対する公衆衛生の対応

  1. 災害への公衆衛生対応/災害時迅速評価法とは/災害時迅速評価法の実行/サベーランス/災害時迅速評価法実施の難しさ/最終報告書

第5部 除染

  1. 除染/除染の行程/除染方法/核、生物剤、そして化学剤(NBC)における特殊状況

第6部 テロリズムに対する医療対応

  1. テロリズムの脅威/テロリズムとは?/医療公衆衛生システムの脆弱性/テロに対する特殊作戦
  2. 生物剤テロ/曝露経路/生物剤による攻撃への対応/細菌の生物剤に対する対処/ペスト/野兎病/ウイルス生物剤に対する対処/毒素性生物剤に対処
  3. 化学剤/化学剤の性状/化学剤攻撃への対応/個々の化学剤への対応/びらん剤/除染
  4. 放射性物質/電離放射線の原理/放射線脅威のシナリオ/放射線による負傷者の緊急対応/特別な論点

第7部 災害時によく見られる外傷の治療

  1. 爆弾・爆風外傷/爆発物と起爆装置/爆風損傷/爆風損傷傷者の死亡率・予後に関する予測因子
  2. クラッシュ症候群/クラッシュ症候群の臨床所見/クラッシュ症候群の根治治療
  3. 四肢外傷/身体所見/非侵襲的管理/四肢切断または温存
  4. 災害現場での手術に必要な麻酔管理/麻酔前評価/気道管理/麻酔法
  5. 熱傷/熱傷の分類/熱傷の第一優先事項/熱傷治療における第2優先事項/化学熱傷/電撃熱傷
  6. 小児外傷/災害時に子供を診療するために必要な器具/災害時に子供を診療するために必要な備品/災害時に子供を診療するために必要な薬剤/トリアージと初期治療/小児の頭部外傷における注意点/小児の胸部外傷に対する注意点/小児の腹部外傷に対する注意点/小児の整形外傷に対する注意点/小児の集中治療における注意点
  7. 眼外傷/眼外傷の原因と受傷機転/眼外傷の評価とトリアージ/災害現場での眼外傷治療/生物剤と眼外傷

第8部 環境に関する考察

  1. 危険物/化学兵器と危険物/危険物の同定/個人防護衣 PPE
  2. 熱中症/熱中症に関連する因子/災害対応従事者の脱水のための輸液管理
  3. 寒冷外傷(低体温と凍傷)/病態生理/偶発性低体温/治療/生命兆候の見られない重度低体温傷病者の治療/凍傷および局所の寒冷外傷/低体温の傷病者搬送の準備/局所の寒冷外傷予防
  4. 高山病

第9部 その他

  1. 災害における心理的側面/災害時の心理に影響を及ぼす様々な因子/災害時の心理に影響を与える個人・地域の因子/災害時の心理に対する疫学調査/災害の心理的後遺症/災害による精神疾患/介入/心のケア専門家の役割/災害対応従事者のストレス
  2. 災害の犠牲者とその家族のケア/災害対応従事者の安全確保/仮設遺体安置所の設置/遺体の取り扱い/遺留品の整理/遺体の鑑別/遺族や文化背景の配慮