けいゆう先生のペンネームで知られ、SNSやウェブメディアの連載などで活躍中の山本健人先生が、医学生や研修医向けに書き下ろしたのが本書です。編集部の人間が読んでも「なるほど! 」と唸る、さすがの切り口の文章が満載。消化器外科医の日常を通し、「初期研修で学ぶべきこと」が余すことなく伝えられています。これから初期研修を受ける医師にとっては必携の書となるでしょう。本書が贈る「知恵」が初期研修を実りあるものにしてくれると確信しております。
以下、本書「はじめに」より
若手医師が勉強法やキャリアについて情報収集したいと思った時、アクセスできる情報ソースは意外に限られています。インターネットで検索したり、書店に行って本を探したりしても、自分に役立つ情報はなかなか見つけにくいものです。私は、こうした問題意識を常に持ってキャリアを歩む中で、できるだけ多くの後輩に自分の学んだことを伝えたい、と考え続けてきました。 (中略) 確かにここに書いたのは、一介の若手外科医の私見に過ぎないでしょう。しかし私はこの書籍に、これまで自分が医師として、外科医として、毎日頭をひねって考えてきたことの全てを書きました。読んでいただければ、「今すぐにでも実践したい」と思うことがきっとたくさんあると思います。もしそう思ったら、この本を閉じた瞬間から、動き始めてください。あなたのこれからの人生で、今日が一番若い日です。
以下、本書「はじめに」より
若手医師が勉強法やキャリアについて情報収集したいと思った時、アクセスできる情報ソースは意外に限られています。インターネットで検索したり、書店に行って本を探したりしても、自分に役立つ情報はなかなか見つけにくいものです。私は、こうした問題意識を常に持ってキャリアを歩む中で、できるだけ多くの後輩に自分の学んだことを伝えたい、と考え続けてきました。 (中略) 確かにここに書いたのは、一介の若手外科医の私見に過ぎないでしょう。しかし私はこの書籍に、これまで自分が医師として、外科医として、毎日頭をひねって考えてきたことの全てを書きました。読んでいただければ、「今すぐにでも実践したい」と思うことがきっとたくさんあると思います。もしそう思ったら、この本を閉じた瞬間から、動き始めてください。あなたのこれからの人生で、今日が一番若い日です。
山本健人(やまもとたけひと)
2010年京都大学医学部医学科卒業。神戸市立医療センター中央市民病院初期研修医、外科専攻医、田附興風会医学研究所北野病院消化器外科を経て、現在京都大学大学院医学研究科博士課程、消化管外科。「医師と患者の垣根をなくしたい」をモットーに、「外科医けいゆう」のペンネームで2017年に医療情報サイト「外科医の視点」を開設し、これまで800万を超えるページビューを記録。ペンネームの「けいゆう」は筆者の二人の子の名前から取ったもの。時事メディカル、看護roo!、ケアネットなどのウェブメディアで連載。Yahoo!ニュース個人オーサー。Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSでも情報発信し、その総フォロワー数は約4万人。各地で一般向けボランティア講演なども精力的に行っている。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、感染症専門医、がん治療認定医など。
2010年京都大学医学部医学科卒業。神戸市立医療センター中央市民病院初期研修医、外科専攻医、田附興風会医学研究所北野病院消化器外科を経て、現在京都大学大学院医学研究科博士課程、消化管外科。「医師と患者の垣根をなくしたい」をモットーに、「外科医けいゆう」のペンネームで2017年に医療情報サイト「外科医の視点」を開設し、これまで800万を超えるページビューを記録。ペンネームの「けいゆう」は筆者の二人の子の名前から取ったもの。時事メディカル、看護roo!、ケアネットなどのウェブメディアで連載。Yahoo!ニュース個人オーサー。Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSでも情報発信し、その総フォロワー数は約4万人。各地で一般向けボランティア講演なども精力的に行っている。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、感染症専門医、がん治療認定医など。
臨床研修が開始された2004年からはや15年が経ちました。この度、再度見直しが行われ、2020年度から臨床研修開始当初の必修科目が再び採用され、7科目の必修となります。そこで、この度の臨床研修改定に合わせ、若い世代に近い感覚を持った先生方にご執筆いただき、これからの初期研修医が求める情報を盛り込んだ新たな「クリニカル・ベース・レジデント(CBR)シリーズ」を制作することといたしました。その第一弾となる「もう迷わない! 外科医けいゆう先生が贈る初期研修の知恵」。初期研修を充実したものとするための叡智が詰まった一冊に仕上がっております。ご笑覧ください。
- シリーズ監修のことば(箕輪良行)
- はじめに
第1章 それでも外科医はおもしろい
- 1-1. 辛かった研修医時代
- 外科医を目指したはずなのに、、?
- 大変なのは手術だけではない
- 1-2. 外科が楽しい五つの理由
- 技術の向上がわかりやすい
- パフォーマンスを客観的に評価できる
- 患者から感謝される
- 後輩から頼りにされる
- 緊急手術で出会う患者とのふれあい
- <コラム>お礼の手紙
- 1-3. 外科は本当に3Kなのか?
- 外科は「きつい」のか?
- 外科医は「厳しい」のか?
- 外科は「汚い」のか?
- 外科は「危険」なのか?
- 外科医の辛さとは?
- <コラム>エホバの証人の手術はなぜ特別?
第2章 外科医はどんな仕事をしているか?
- 2-1. 1日の流れ(手術日)
- 手術日の仕事(定例手術編)
- <コラム>手術中の不思議な掛け声
- 手術日の仕事(緊急手術編)
- 2-2. 手術にかかわる他の仕事
- 標本整理
- オペレコの作成
- <コラム>オペレコにおすすめのグッズ
- 2-3. 1日の流れ(外来日)
- ① 新患
- ② 定期フォロー中の患者
- ③ 他科からの紹介患者
- <コラム>執刀医という言葉には誤解が多い
- 2-4. 外科医のトレーニングとは?
- 手を動かす練習
- <コラム>外科医は両利きの方がいい?
- 手術動画から学ぶ
- 学会・研究会への参加
- <コラム>研修医がよく間違える外科関連の用語
- 2-5. 学会発表
- 外科医が行う学会発表
- 学会発表の種類は?
- 学会への応募の仕方
- 抄録の準備の仕方
- 国際学会の心得
- 学会にかかる費用
- <コラム>マイラーになっておこう!
- 2-6. 論文執筆
- 「論文より手術」は本当?
- 論文執筆にはお金も時間もかかる
- 医師が論文を書く理由
- 和文と英文はどちらがいい?
- 論文が出版されるまで
- 論文の書き方
- 論文執筆の準備は学会発表
- 学会用の抄録がabstractになる
- 英語で文章を書く時のコツ
- どの雑誌に出すかを考える
- <コラム>指導医からいただいた名言
- 2-7. 専門医資格の取得
- 外科医が持つ専門医資格とは?
- 専門医資格はどのようにして取得するのか?
- 専門医資格取得のために早めに準備すべき理由
- 効率的に専門医取得
- 専門医資格の意義とは?
- <コラム>私が実践する分かりやすい話し方
- 2-8. 自分の業績を記録しよう
- 経験手術数
- 論文数
- 学会発表
- グラント
- 受賞歴
- <コラム>国際学会での大事件
第3章 外科研修医の心得
- 3-1. 外科ローテートでは何を学ぶべきか?
- 座学で学ぶべきこと
- 手術中に学ぶべきこと
- 手術中の心の持ちよう
- 外科志望でない人が学ぶべき視点
- 病棟で学ぶべきこと
- カンファレンスで学ぶべきこと
- <コラム>外科病棟でよく出合う、研修医の間違い例
- 3-2. 外科は他の科とどうかかわっているか
- 病理診断科
- 放射線診断科
- 麻酔科
- 集中治療科
- 消化器内科
- 腫瘍内科
- 外科医へのコンサルトの仕方
- 理想的なコンサルト
- 術後合併症に関するコンサルト
- 手術適応に関するコンサルト
- <コラム>研修医ノートのすすめ
- 3-3. 患者に対する接し方
- タメ口は禁止
- 自科の上司は「呼び捨て」
- 身だしなみを整える
- 時間は守る
- チームの総意であることを伝える
- 予後を聞かれたら要注意
- 分からないことは分からないと言う
- 説明は上級医に倣って
- 必要な場合は看護師に同席を頼む
- 急変時の説明は慌てずに
- <コラム>外国人の診療で苦労すること
- 3-4. コメディカルとのかかわり方
- 理学療法士(PT)
- 管理栄養士
- 薬剤師
- 言語聴覚士(ST)
- 医療ソーシャルワーカー(ケースワーカー)
- 皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)
- 3-5. 看護師とのかかわり方
- 看護師から経過について質問を受けたら?
- 看護師に治療や検査の提案をされたら?
- 大事な説明を看護師に丸投げしてはいけない
- 話しかけやすい存在であることを心がける
- <コラム>研修医が情報収集するには?
第4章 外科医としてのキャリア
- 4-1. 手術以外の強みを
- 学術活動に力を入れる
- 外科学以外にも興味を持つ
- 基礎医学に触れる
- 結びに代えて