レジデント・スキルアップ・シリーズの嚆矢として2004年に出版された書.小児診療の基本手技のコンパクトな解説,小児診療のミニマムリクワイアメント,リスク症例によるケーススタディ,ピットフォールとその回避法など行き届いた構成で,小児科医にのみならず,一般内科医,レジデントなどに発行以来広く,長く支持されてきた.しかしとりわけ小児救急は医療界の小児救急医療に対する関心の高まり,技術や設備,さらにはPICUなどの専門施設の拡充,救急医療システムの充実などによって大きく変貌を遂げてきている.今回の改訂版では最新の知見を追加するとともに,序章に小児救急現場での正確かつ迅速な病態判断に必要な,C-PTASを用いたトリアージスキルを,カラーによるビジュアルを多用しながら,詳しく解説を加えた.
重症救急疾患にとどまらず,コモンディジーズ,プロブレムに対する診断治療,ひいては小児診療に必須の哲学やインフォームドコンセントについても丁寧に解説している.
重症救急疾患にとどまらず,コモンディジーズ,プロブレムに対する診断治療,ひいては小児診療に必須の哲学やインフォームドコンセントについても丁寧に解説している.
Introduction
小児救急現場では C-PTAS を用いてトリアージスキルを身に付けよう!
- C-PTASの基本はPATである
- PATに異常を認めたら,直ちにバイタルサインのチェックに進むこと!
- 状態が安定したら,secondary assessmentへ
- C-PTASとは
1章 小児救急の基本技能:Teaching Point
- 肘内障
- そけいヘルニア嵌頓
- 腸重積
- 3ヵ月未満児の発熱
- 泣き続ける乳幼児の診療
- 呼吸困難時の対応
- 咳込み
- 無呼吸
- 咽頭炎・上気道炎・扁桃炎の鑑別
- 喘息・喘息性気管支炎
- クループ症状の鑑別
- 尿路感染症
- 川崎病を見逃さない
- 頭部打撲
- 頭痛発作
- 腹痛の対応
- 下痢の対応
- 嘔吐の鑑別
- 血便
- 髄膜炎の診断
- 歩行困難・跛行
- 頻尿
- けいれんの対応
- じんま疹・発疹
- 急性虫垂炎
- 溶連菌感染症
2章 小児救急スキルアップ
3章 小児救急のリスク症例に学ぶ
- 診療の基本の不徹底によるリスク症例
- 初歩的なミス
- 思い込み・受け売り
- 診察の基本の不徹底日常診療で陥りやすいリスク症例
- 前駆症状の見落とし
- 検査への過信
- 問題点の先送り・判断の遅れ
- インフォームド・コンセントの不備
- 前医診断への偏重
- 非典型例の見落とし複合要因によるリスク症例
- 複合要因
- アレルギー・薬物による危急症
- 電話相談・電話指導
- その他
4章 リスク分析からの教訓
終章 小児救急医療ガイドラインの陥りやすいおとし穴とその回避法
- 内因性危急疾患
- 外因性危急疾患
- 文献/索引
- 付表1 小児救急の基本16か条
- 付表2 リスク症例とそのマネジメント
- 付表3 小児救急における注意点