神経内科診療スキルアップ
著 者
:大生定義(横浜市立病院神経内科)
判 型
:A5判 2色
発行年
:2006年
頁数
:148頁
ISBN
:978-4-902470-24-6
電子化
:あり

定価 本体2,400円+税

  • 内容紹介
  • 目次
 卓越した神経内科医であり、また臨床疫学、EBMの先駆者である著者が、臨床研修のためにその考え方を、神経内科診療の手引きとして示した秀作。複雑といわれる神経内科の診療を、本書ではまず確率、頻度、致命的か、治療可能かをまず頭においてアプローチすることの重要性を、具体的な疾患の診療の進め方として解説している。多岐にわたる知識を、現実の診療に適用できるようバッサリと研ぎ澄ました解説は、豊かな臨床経験と臨床教育の中で培われたものにしかできない。90分で読めるボリュームにもかかわらず研修医生活2年分に必要なエッセンスが集約されている。ローテーションの前後のまとめに最適な1冊である。

第1章 EBM的神経診断学の要点

  1. 診断の道すじ
    1. プロとしての合理的な診断法を身につける
    2. 可能性の高い診断と鑑別診断を挙げ、絞り込む
    3. 診断がつかないときは、チャンスを待てるときは待つ
  2. 神経学的診察

第2章 EMB的症状・疾患別診療エセンシャルズ

  1. 頭痛
    1. 初期対応の基本
    2. 問診:最も重要な武器
    3. 診察:簡易神経学的診察
    4. 診断と処
    5. 頭蓋内圧亢進の判定(眼底検査)
    6. 代表的な治療
  2. 失神
    1. 初期対応の基本
    2. 問診:病歴が重要!
    3. 大切な鑑別は心原性とてんかん
    4. 身体診察
    5. 検査
    6. 画像診断は役立つか?
    7. 治療:まず生活の注意から
  3. 意識障害診察時にも意識障害がある場合
    1. 初期対応の基本
    2. 手順と流れ
    3. 意識障害の基本事項
  4. めまい
    1. 初期対応の基本
    2. 問診:どのようなめまいか?
    3. 問診:進めかた
    4. 診察と検査
    5. マネジメント
    6. めまいの基本事項
  5. しびれ
    1. 初期対応の基本:何がしびれなのか
    2. 対応のコツ 1:感覚の障害をどう割り切るか
    3. 対応のコツ 2:頻度はどうか
    4. 対応のコツ 3:末梢神経の構造と障害の影響
    5. 末梢神経障害の振り分け
  6. けいれん
    1. 初期対応の基本
    2. 問診
    3. 診察のポイント
    4. 治療の基本
  7. ふるえ:パーキンソン病と類縁疾患
    1. 初期対応の基本:ふるえの 2 大疾患
    2. パーキンソン病の診断上の注意点
    3. 処方のポイント
    4. パーキンソン病の告知について
    5. 基本知識:パーキンソン病と類縁疾患
  8. 脳・脊髄血管障害脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血
    1. 診断
    2. 検査
    3. 一般的治療方針
    4. それぞれの治療(専門医への相談)
    5. 脳血管障害診断のミニマム
  9. 髄膜炎・脳炎
    1. 診断
    2. 検査
    3. 治療方針
    4. おもな原因疾患
  10. 痴呆(認知症)性疾患
    1. 診断
    2. 検査
    3. 治療方針
    4. おもな疾患
    5. 患者・家族との対応の原則
  11. ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)
    1. 診断:中枢性・末梢性の鑑別をする
    2. 診断:その他の情報を加える
    3. 3 分の 2 は自然回復する:どんな治療も有効?
  12. 圧迫性神経障害(圧迫性ニューロパチー)
    1. 脳血管障害との鑑別も重要
    2. 代表的な症状:手根管症候群は結構多い
  13. 脳脊髄外傷:取り扱いの手順
    1. 初期対応の基本
    2. 検査

パワーイラスト

  1. 症状のパターンと病巣
  2. 射中枢の覚え方
  3. 病的反射の検査法
  4. Barré徴候
  5. 神経解剖(1)―大脳・脳幹・小脳
  6. 神経解剖(2)-脊髄の断面と臨床症状
  7. 確実な腰椎穿刺法

EBM コラム

  • 診断の絞りだしかた
  • 検査前(事前)確率の高低と検査の結果の読みかた
  • 尤度比を実感してみよう
  • ブラックボックスである診断の過程を SHADE でまとめてみよう
  • 失神は病歴と診察で 32%は診断がつく
  • 鑑別診断の 3C
  • EBM の実践は NBM 的に
  • てんかんと EBM:実例を挙げて
  • 抗血小板薬のインパクト
  • 過剰な医療は共有地の悲劇かも知れない
  • プロフェッショナルとしての社会的役割も重要である
  • 治療開始をどうするか?

付 録

  1. 臨床上の疑問の解決法と文献の検索・選択のヒント
  2. EBMとは