臨床経験豊富な内科医が、これまでに体験した誤った処方の数々をケース別に解説します。名のある大病院でも患者の症状を改善させるのに効果的でない、またそのエビデンスもない薬剤を漫然と処方されることに警告を発しています。紹介元の医師に忖度した処方をして症状を悪化させるケースやポリファーマシーに陥る患者のケース、意味不明のナゾ処方など、研修医、医療関係者の方には一読する価値のある内容となっています。
昭和62年3月奈良県立医科大学卒業。同大学小児科入局し研修。令和4年6月から医療法人恵生会恵生会病院内科に勤務。また大阪府下の休日急患診療所小児科にも勤務。日本小児感染症学会所属。
- CASE1/嘔気や嘔吐に関係なく感冒にはプリンペラン?
- 錐体外路症狀をご存知ない?
- CASE2/1歳児に慢性副鼻腔炎で抗菌薬
- 副鼻腔がないのに蓄膿?
- (COLUMN)セフゾンⓇで尿が赤くなって、便に赤いものが混じるという古い話をご存じでしょうか?
- CASE3/明らかな部分てんかんにVPA
- てんかん治療の基本
- CASE4/熱性けいれんはダイアップ🄬座薬
- ガイドラインを知らず、どんな症例でも
- CASE5/実在しない咳止めテープ
- 気管支拡張剤は末梢性鎮咳薬ではない
- (COLUMN)ツロブテロール貼付剤の問題点
- CASE6/不思議な吸入療法
- 喘息の合併がない肺炎に抗アレルギー薬吸入
- CASE7/風邪に効く薬は実在しない
- 抗生剤は国が適正使用を保険点数で誘導
- (COLUMN)咳とハチミツと愛着形成
- (COLUMN)海外でも使われているアスベリン
- CASE8/下痢にロペミン🄬一点張り
- 原因がわかる前に出さないほうがよい
- CASE9/溶連菌にセフェム系抗生剤?
- アモキシシリン耐性株は現時点では存在せず
- (COLUMN)尿路感染症の治療
- CASE10/マイコプラズマ肺炎の治療
- マクロライド系抗生物質で今も十分です
- CASE11/アレロック🄬の効果発揮時間は?
- Tmaxは 1時間ですから
- CASE12/吸入ができない子どもに吸入薬を処方する迷医
- インフルエンザの実質的な治療ができず、死亡例も
- (COLUMN)乳児の吸入について
- (COLUMN)テレビの報道解説番組のうそ:マスコミ関係者の学力低下はひどい
- CASE13/抗生剤の点滴で胆石症が生じ得る
- CTRXの点滴は小児でも気をつけましょう
Ⅱ成人編
- CASE1/成人に子どもの投与量で鎮咳薬
- そもそも有効性のエビデンスはない
- CASE2/ACE阻害薬による咳に去痰薬と鎮咳薬を処方するむだ
- (COLUMN)新型コロナと長引く咳の治療
- CASE3/効かない消化管運動改善薬?
- 薬用量と服薬方法
- CASE4/うつ病治療に無視された糖尿病
- うつ症状は糖尿病の症状の一つです
- CASE5/うつ病治療で大爆発
- 向精神薬の処方をされたアルツハイマー病
- CASE6/薬剤で悪化したパーキンソン病
- 紹介医に忖度し患者とその家族に恨まれた専門医
- (COLUMN)紹介元の医師に忖度する愚かさ
- CASE7/誤診でポリファーマシー
- 3つの医療機関で総計30種類超え
- CASE8/芍薬甘草湯で心不全が悪化
- 偽性アルドステロン症は高齢者に多い
- CASE9/鎮痛剤リリカで痛い目にあう
- 腎機能を考えないで処方してはいけない
- (COLUMN)DQNな診療情報提供書と病棟指示:持参薬の取り扱い
- CASE10/腹痛にブスコパンⓇ もほどほどに
- 薬剤性腸管麻痺で激しい腹痛
- CASE11/うっ血性心不全に末梢性アミノ酸製剤の点滴は禁忌
- 心不全を悪化させないために
- CASE12/頻脈にワソラン®投与は正しいか?
- 禁忌もあることに注意
- CASE13/慢性心不全に長期間多種類の利尿剤を併用し
- 電解質をチェックせず、心不全が悪化した症例
- (COLUMN)少なくないポリファーマシー
- CASE14/便秘薬を服用したら、下痢が激しく腹痛がおさまりません
- 第一選択薬にしてよい便秘薬とは?
- CASE15/尿管結石の激しい痛みに座薬を使ったら喘息発作が出ました
- 座薬は吸収が早い分、ハイリスクです
- CASE16/急性腎盂腎炎から敗血症をきたし、DICかと心配したら…
- PPI内服症例には血小板減少が起こり得ますが…
- CASE17/骨折のリスクが上がると言って,患者さんがPPI中止を希望
- PPI中止後に長年の下痢が治まって患者さんに感謝されました
- (COLUMN)DQNな病棟指示:迷医の酸素療法指示は迷看護師を量産する