初版を出した2014年から日本の救急専門医は順調に増え、5,000人を超えるようになりました。ただし、明るい材料ばかりかというと実はそうではありません。今の20代の価値観は40代以上の価値観とは大幅に違ってきていて、「社会のために役立ちたい」「自分の可能性を試したい」という人の割合が低下する一方,「友人や家族との時間を重視したい」「金銭的な成功を」という人がどんどん増えています。
このように刻々と変化する若手医師の環境や時代のなかにあって、「救急はどうやって魅力をアピールするか」を考える必要があります。その答えは、日本救急医学会の働き方改革のチームが示しているように、「人を救うには、まず自分が健康でなくてはならない」ということに尽きるのではないかと思います。
本書には、救急医が健康であるためのコツとして「自身のマネジメント」「部門としての安全を実現する秘訣」「効率よく成長するためのエビデンスや研鑚の方法」など、多くの秘訣が詰まっています。救急レジデントや専門医が“健康に”救急診療を続け、魅力ある救急部門を作ることの一部にでも本書が寄与することを願って止みません。
(改訂版序文より抜粋)
このように刻々と変化する若手医師の環境や時代のなかにあって、「救急はどうやって魅力をアピールするか」を考える必要があります。その答えは、日本救急医学会の働き方改革のチームが示しているように、「人を救うには、まず自分が健康でなくてはならない」ということに尽きるのではないかと思います。
本書には、救急医が健康であるためのコツとして「自身のマネジメント」「部門としての安全を実現する秘訣」「効率よく成長するためのエビデンスや研鑚の方法」など、多くの秘訣が詰まっています。救急レジデントや専門医が“健康に”救急診療を続け、魅力ある救急部門を作ることの一部にでも本書が寄与することを願って止みません。
(改訂版序文より抜粋)
- Ⅰ. 救急医個人として知っておきたいこと
- 1. ERでの心得・プロフェッショナリズム
- 2. 6 competencies 〜ERにおける研修カリキュラム
- 3. 医師のQOL・疲労時の対処法
- Ⅱ. より良い部門運営のために
- 1. 問題患者への対応
- 2. 法律関係
- 3. M&Mカンファレンス
- Ⅲ. より良い救急システムのために
- 1. トリアージ
- 2. コンサルテーション
- 3. Disposition
- 4. 電子カルテの利用
- 5. 帰宅指示書について
- Ⅳ. 救急臨床力を磨こう
- 1. ERでの診断推論
- 2. Clinical Prediction Rule
- 1)総論 プレディクション・ルールを使おう!
- 2)各論その① 膝外傷・足外傷
- その② 小児の頭部外傷
- その③ 頭部外傷
- その④ 一過性脳虚血発作
- その⑤ 失神
- その⑥ 髄膜炎
- その⑦ 咽頭炎
- その⑧ 頸椎損傷
- その⑨ 胸痛、急性冠症候群
- その⑩ 心房細動
- その⑪ 市中肺炎
- その⑫ 肺動脈血栓塞栓症
- その⑬ 上部消化管出血
- その⑭ 急性虫垂炎
- その⑮ 小児の発熱
- その⑯ 大動脈解離
- その⑰ SAH
- 3. ケース・スタディ〜ERに潜む落とし穴〜
- Case 1 49歳女性 胸痛
- Case 2 80歳女性 下腹部痛
- Case 3 46歳男性 右眼右上視野がぼんやり
- Case 4 69歳女性 持続性心窩部痛
- Case 5 3歳児 3日続いた頸部痛
- Case 6 38歳女性 意識障害
- Case 7 55歳女性 労作時の呼吸困難
- Case 8 64歳女性 左手首痛
- Case 9 20歳男性 左上・下肢が動かない
- Case 10 28歳男性 突然の動悸
- Case 11 38歳女性 発熱・左大腿部痛
- Case 12 16歳女性 失神
- Case 13 55歳男性 吐血
- Case 14 5歳男児 1週間続く下痢
- Case 15 2歳女児 腕が動かない
- Case 16 32歳男性 回転性めまい
- Case 17 35歳男性 心窩部痛
- Case 18 72歳男性 呼吸困難
- Case 19 75歳男性 突然の呼吸困難
- Case 20 65歳男性 呼吸困難
- Case 21 18歳女性 呼吸困難
- Case 22 34歳女性 全身のかゆみ
- Case 23 69歳女性 腰痛
- Case 24 50歳代男性 心窩部痛と水様性下痢
- Case 25 74歳女性 右腕優位の上肢脱力としびれ
- Case 26 70歳女性 下腹部全体の痛み
- Case 27 60歳代男性 トイレで転倒
- Case 28 56歳女性 突然の両肩から左上腕のしびれと後頸部痛
- Case 29 68歳男性 手の震え
- Case 30 80歳代男性 意識障害