今日、胃癌、大腸癌など消化器系の癌が増加の一途をたどっている。しかし、消化器系の癌は発見が早ければ、初期の段階であれば、5年後生存率もとても高く、癌=死のイメージは払拭されつつある。癌にならないように生活習慣を改めることは非常に大切であるが、初期段階で発見し、それを治療することに消化管系の医師たちは全力を注いでいる。
このような背景のなか、消化管疾患における検査・治療・ケアのニーズが激増しており、その主役となるのが内視鏡であり、内視鏡の精度、技術、診断もレベルの向上が著しい。
消化器系の疾患に携わる内視鏡技師やナースには今まで以上の技術、ケア、知識が求められる時代になった。
本書では、このような時代にマッチした多種多様な検査、治療を数多く紹介し、医師、内視鏡技師、ナース、それぞれの立場のアプローチをていねいに解説した、レベルアップのために必読の書といえる。
- 序文
Ⅰ.検査・治療・患者ケア 概論
- 1 看護系:患者管理全般、問診、検査中の管理、回復まで
- 2 機器管理系:内視鏡機器・デバイスの管理
- 3 洗浄・消毒系:スコープの洗浄消毒保管、デバイスの滅菌
- 4 消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドラインの解説
- 5 薬剤系:鎮痛・鎮静・鎮痙薬と抗血栓薬の知識
- 6 対策型内視鏡検診の進め方
Ⅱ.内視鏡検査 各論
- 1 上部消化管内視鏡検査の実際―総論/上部消化管内視鏡検査:経口法
- 2 上部消化管内視鏡検査:経鼻法
- 3 食道疾患と内視鏡検査
- 4 胃疾患と内視鏡検査
- 5 十二指腸・小腸疾患と内視鏡検査:バルーン内視鏡を中心として
- 6 大腸疾患と内視鏡検査
- 7 カプセル内視鏡検査(小腸、大腸)
- 8 胆膵疾患と内視鏡検査(ERCP)
- 9 小児内視鏡検査
- 10 超音波内視鏡検査(上部・下部・胆膵)
Ⅲ.内視鏡治療 各論
- 1 ポリペクトミーおよび内視鏡的粘膜切除術(EMR)
- 2 内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)
- 3 食道・胃静脈瘤の内視鏡治療
- 4 消化管出血の内視鏡的止血術
- 5 内視鏡的異物除去術
- 6 胆膵疾患の内視鏡治療
- 7 胃瘻造設術
Ⅳ.特殊な内視鏡検査・治療 各論
- 1 色素内視鏡検査
- 2 画像強調内視鏡(IEE)と拡大内視鏡で何がわかるか
- 3 経口内視鏡的筋層切開術(POEM)、経口内視鏡的腫瘍核出術(POET)
- 4 腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)
- 5 内視鏡診療におけるAIの役割
- あとがき
- 索引