「気づき」が分かれば「匠」になれる!
「匠」とは、「何らかの優れた技術を持つ人」と言われているが、作業療法の場合は「何らかの気づき」、「気づきのタイミング」を対象児・者と保護者に使いこなせる人が匠と言えるだろう。作業療法とは何かをしなくても、生理学(大脳と運動)や生態学・人間発達学を熟知していれば、疾病に照らし合わせて判断でき、その気づきがタイミングの良さとなり、対象児・者が自ら作業療法士の意図したことをしてくれるのではないだろうか?
本書は、長年、臨床現場で試行錯誤しながら、技術のみでなくアイデンティティや根源を見い出して小児作業療法の哲学に触れている「匠」たちならではの、具体的な場面において一歩踏み込んだ「観察」、「把握」、「察知してからのかかわるタイミングの良さ」に触れることで「作業療法の匠」の考え方を知ることができる1冊となっている。
第1章 障害児・者支援における社会保障制度の理解
第2章 保健領域―肢体不自由/知的・情緒発達障害
- Ⅰ 発達障害児への早期介入の必要性
- Ⅱ 年齢別支援
- Ⅲ 事例
第3章 医療領域―肢体不自由/知的・情緒発達障害
- 1.軽中度
- 2.重度
第4章 福祉領域―肢体不自由/知的・情緒発達障害
- 1.乳幼児期
- 2.学童期(放課後等デイサービス、保育所等訪問)
第5章 就労領域―肢体不自由/知的・情緒発達障害
- Ⅰ 就労支援に関する施設と内容
- Ⅱ 働くことの意義
- Ⅲ 就労に必要な能力とは
- Ⅳ 就労に向けたプログラムを作成するポイント
- Ⅴ 就労支援の実際と課題